琵琶歌「壇ノ浦」 壇ノ浦に行ってみた⑦ 赤間神宮周辺に残る源平合戦

史跡めぐり
日本の歴史と文化を色濃く感じることができる場所、赤間神宮。この周辺は源平合戦を偲ばせ、そして目の前の関門海峡は海の交通の難所として知られる側面も随所に感じることができるスポットが多々あります。赤間神宮周辺は、その見どころが多岐にわたり、訪れる人々にさまざまな感動を提供します。

二位殿は 帝を抱き奉り
 「君は万乗の主と生まれさせ給えども 御運既に尽きさせ給いぬ
  西方浄土の来迎に与らんと思しめし
  はやはやご念仏唱え給え 波の下にも都の候ぞ」
 と 幼き帝もろともに 千尋の海へぞ 入り給う

(薩摩琵琶鶴田流「壇ノ浦」の一節より)

赤間神宮の入り口にある二位の尼像

赤間神宮は歴史と神秘性を兼ね備えた神社で、安徳天皇ゆかりの場所や竜宮城のような水天門が見どころです。水天門から道路をはさんで海側の第三駐車場横に、二位の尼像があります。
「祇園精舎の鐘の聲 諸行無常の響きあり 
 沙羅双樹の花の色 生者必衰の理りをあらはす
 おごれるものも久しからず ただ春の夜の夢のごとし
 たけきものもついにはほろびぬ ひとへに風の前のちりにおなじ」
と刻まれています。
幼い安徳天皇を抱いている像です。

海峡守護「碇」

二位の尼像の近くには、昭和60年に源平800年祭記念として「碇」が奉納されています。
碇は現代の物ですが、海参道の入り口に奉納することで、御祭神の御霊を慰め海峡の平安を祈念しているとのことです。

謡曲「碇潜」と壇ノ浦

源平合戦は、謡曲碇潜」にも歌われています。
「壇ノ浦の古戦場を弔いに来た旅僧が乗り合わせた渡し船の漁翁(実は平知盛の幽霊)に軍物語を所望する。漁翁は能登守教経の奮戦と壮烈な最期を詳しく語り跡の弔いを願う。旅僧の回向に導かれるように勇将知盛の姿が現れ、安徳天皇を始め一門悉く入水するまでの経過と、自らの修羅の戦いの有様や怒りを頭上に戴いて海中に飛び込んだ知盛の幻影を旅僧は見たのであった。」

この「碇潜」はの演目としても有名です。
能で演じられる「碇潜」の場合は、都の僧が早鞆の浦で年老いた船頭に壇ノ浦の合戦の物語を聴くという内容は同じですが、平教経の最期を語る漁師は教経の霊となっています。場面が変わり海中から安徳天皇、二位尼、安徳天皇の乳母と平知盛が屋形船に乗って現れ、安徳帝入水の場面を語り僧に回向を頼み、知盛は碇を戴いて海中に飛び込むという展開になっています。

謡曲と能では同じ「碇潜」でも少し内容が違うようですね。
じっくり比べて鑑賞したいですね(⌒∇⌒)

紅石稲荷神社

赤間神宮の奥に更に神社があります。

紅石稲荷神社は赤間神宮の奥にあります。平家一門が安徳天皇を奉じて西遷する際に皇城の鎮護である京都伏見稲荷大明神を勧請し乗船、壇ノ浦に至るや紅石山景勝地を選んで鎮祭されたのがこの神社の由来です。戦火で焼失したものの、源平800年祭を期に現在の神殿を造営しました。

紅石稲荷神社には、木の「倭船壇ノ浦漁釣船が残されています。
源平合戦後、平家残党が漁業に従事し、それが壇ノ浦漁師の始めとのことです。
昭和53年に、機械船導入後最後の一艘となった倭船をここに奉納したとのことです。
このような形で倭船の実物が見られるのは嬉しいですね!

唐戸市場で一本釣りの新鮮な味を楽しもう

下関と言えば、そう!ふぐです!中でも唐戸市場は、美味しいふぐを楽しむための最高のスポットとして知られています。こちらの唐戸市場では、新鮮なふぐ刺しが堪能できるだけでなく、地元の漁師さんが誇る一本釣りのふぐも絶品。ふぐの聖地として多くの観光客やグルメファンが集まる理由が分かりますね。

哀れ無情の春の風 今は主なき戦船いずくともなく
 漂いゆくこそ悲しけれ

(薩摩琵琶鶴田流「壇ノ浦」の一節より)

平家の残党が壇ノ浦で漁を始めたことが壇ノ浦漁の始まりなんて興味深いですね!「早鞆の渦潮逆巻く中を巧みに操り、一本釣りに錬達し」さすが壇ノ浦の戦いで船戦をした猛者の末裔です。

唐戸市場に到着したのが平日の午後だったので、唐戸市場内は殆ど販売を終えていました( ;∀;)
もっと早く来れば新鮮な魚の並ぶ唐戸市場を楽しめたはず。。。
ちなみに唐戸市場の開場は 月~土曜日午前4時からとのことです。
それ以外に金・土・日・祝は「飲食イベント」を開催しているそうです。

私は唐戸市場から自宅へ、こんな見事なふぐ刺しを送って頂きました(⌒∇⌒)
唐戸市場の隣の施設「カモンワーフ」でもふぐの載った海鮮丼を頂き°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
下関の漁師さん達に感謝です(^^♪

このブログでは、赤間神宮周辺で見つけた源平合戦ゆかりのあれこれを紹介しました。
中でも「倭船」は本当におすすめです!
赤間神宮においでの際は是非見つけてくださいね。

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